「LINE不倫」はどこからアウト?証拠・慰謝料・法的対応を徹底解説

「もしかして、LINEで誰かと浮気してる?」
パートナーのスマホ通知、深夜のやり取り、やけに盛り上がった絵文字やハートマーク──
恋愛感情や親密な関係がにじむトーク履歴は、いまや現代版の「浮気の現場」とも言える存在です。

特に多いのが、「LINEで浮気相手と連絡を取っていた」「肉体関係はないけれど心が完全に移っていた」といった“LINE不倫”

この記事では、

  • LINE不倫はどこからアウトなのか?
  • 慰謝料は請求できるのか?
  • 証拠としての有効性と注意点
  • トラブルに発展した際の対処法

について、わかりやすく解説します。


LINEでのやり取りは「不倫」になるのか?

結論:内容と状況によっては「不貞行為」として認定される可能性あり

LINEでのやり取りは、感情的な浮気(いわゆる“心の不倫”)に該当する場合があり、内容によっては法的責任を問えることもあります。

ただし、民法上の「不貞行為」とは“肉体関係”があることが前提です。

不倫(不貞行為)の法的定義(民法第770条1項1号)

「配偶者に不貞な行為があったときは、離婚を請求することができる。」

つまり、LINEで「好き」「会いたい」とやり取りしていても、
実際に会って関係を持っていなければ“原則として不貞行為には当たらない”のです。


どこからが「LINE不倫」と見なされる?

以下のようなLINEの内容・行動があれば、不倫認定の可能性が高まります。

1. 明確な愛情表現

  • 「愛してる」「ずっと一緒にいたい」
  • 「妻(夫)より○○の方が大事」

2. 密会の約束や過去の行為の記述

  • 「この前のホテル、楽しかったね」
  • 「来週の◯日はまた泊まろう」

3. 継続的な連絡

  • 毎日連絡し合っている
  • 深夜・早朝のやり取りが習慣化している

4. 画像・動画のやり取り

  • ベッドでの自撮り
  • キス写真や露出の多い写真など

このようなやり取りが続いていれば、「不貞行為に至っている可能性が高い」と裁判所が判断する材料となります。


LINEは慰謝料請求の証拠になる?

はい。LINEのトーク履歴は、不倫慰謝料を請求するための証拠として非常に重要です。

有効な証拠とするための条件

  • 肉体関係の存在を示唆する内容がある(ラブホテル、泊まり、性交渉など)
  • トークのスクリーンショットだけでなく、日付・相手の名前・継続性が明確にわかる
  • 改ざんされていないことを証明できる(iCloudのバックアップ、PCのログなど)

注意:単なるやり取りだけでは不十分なことも

例:「今日もおつかれ♡」「また会いたいね」など、曖昧な関係性しか示していない場合は、「親しい友人」と主張される可能性があります。


LINE不倫に対して慰謝料を請求できるのはどんなとき?

肉体関係がある場合 → 高確率で慰謝料請求可

  • LINEの内容に「ホテル」「泊まり」「キス」「セックス」などの記述
  • さらに日時や場所が特定できる情報があると強力

肉体関係がない場合 → 状況によって可能性あり

たとえば、

  • パートナーの精神的苦痛が大きい
  • 婚姻関係が破綻した原因として明らかにLINEの関係が影響している
  • 相手が既婚者であると知りながら関係を深めていた

→ こうしたケースでは、慰謝料請求が認められる事例もあります。


LINE不倫がバレた後の法的リスクと対応策

不倫された側(被害者)の選択肢

  • パートナーに慰謝料請求
  • 不倫相手に慰謝料請求(既婚と知っていた場合)
  • 離婚・別居を含む法的対応

不倫した側(加害者)のリスク

  • 配偶者との信頼関係の崩壊
  • 慰謝料請求(数十万~300万円程度)
  • 離婚後の親権・財産分与への影響
  • 社会的信用の低下(社内不倫など)

実際にあった裁判例:LINEが不貞の証拠として採用されたケース

東京地裁 令和2年判決

  • 被告(夫)が女性と継続的にLINEで連絡し合い、肉体関係をほのめかす内容があった
  • 宿泊先のホテル名と日付が記録されていた
  • 裁判所は不貞行為があったと認定し、慰謝料100万円の支払いを命じた

ポイント:

LINEの内容が詳細かつ継続的であり、他の証拠(宿泊記録)と組み合わせて有効性が認められた。


LINE不倫の証拠を集めるときの注意点

NGな証拠収集方法

  • 無断でスマホを盗み見る(→ プライバシー権の侵害とみなされる可能性)
  • ロック解除やアプリのハッキング(→ 刑事罰の対象になることも)

正しい方法

  • 共用端末・共用クラウドに保存されたデータの閲覧
  • 探偵事務所を活用する
  • 証拠保全のためのスクリーンショット(日時と相手名の明記)

よくある質問(FAQ)

Q1. LINEのやり取りだけで裁判に勝てますか?

LINEだけでは弱いこともありますが、内容が明確なら十分証拠になります。他の証拠と組み合わせるのが理想です。

Q2. LINEで浮気していた相手にだけ慰謝料を請求できますか?

はい。ただし、相手が「既婚と知らなかった」と主張する場合、請求が通らない可能性もあります。

Q3. 肉体関係がなければ慰謝料は請求できませんか?

原則は難しいですが、精神的苦痛の程度や関係の深さによっては認められることもあります。


まとめ:LINE不倫は「心の浮気」だけで済まされない

  • LINEのやり取りでも、内容によっては立派な不倫の証拠になる
  • 肉体関係を示す記述がある場合は、慰謝料請求・離婚理由として成立する
  • 証拠の取り方には法的ルールがあり、違法収集は逆に不利になる
  • トラブル回避には、早期の対応と専門家の助言が重要

LINEは便利なツールですが、使い方次第で人生を壊す凶器にもなり得ます。
疑わしいやり取りを見つけたときこそ、感情的にならず冷静に行動しましょう。
あなたの権利と心を守るために、正しい知識と証拠を備えておくことが大切です。