不倫はどこから?曖昧な境界線と感情・法律のリアル

「これって不倫?」
何気ないやり取りや、ちょっとした行動で、ふとそんな疑問を抱いた経験はありませんか?

恋人や配偶者がいるのに、他の異性と距離を縮める行動。
一線を越えていないのに、なぜか後ろめたさを感じる。

この記事では、

  • 不倫の境界線はどこからなのか
  • 法律上の「不貞行為」とは何か
  • SNS時代における「心の浮気」の扱い
  • そして、気になるグレーゾーンの行動例

について、わかりやすく解説します。


不倫はどこから?──人によって違う「境界線」

不倫に「ここからがNG」という明確な線引きは、実は存在しません。
なぜなら、不倫という行為は「法律」「倫理観」「感情」の3つが複雑に絡み合っており、人によって定義が大きく異なるからです。

たとえば、以下のような行動は「不倫」と思われる可能性があります。

  • 異性と頻繁にメッセージを交換している
  • 恋人や配偶者に秘密で食事や旅行に行っている
  • 好意をもって接し、身体的接触がある
  • 恋愛感情があることを自覚している

これらの行動は、実際に肉体関係があったかどうかに関係なく、相手に「裏切られた」と思わせる要因になり得ます。


法律上の「不倫」はどこから?──「不貞行為」の定義とは

法律の世界では「不倫」は一般的に「不貞行為」として扱われます。
この「不貞行為」とは、配偶者以外の人と性的関係を持つことを指します。

つまり、民法770条に定められた「離婚原因」となるのは、肉体関係があった場合に限られます。

民法 第770条1項1号
配偶者に不貞な行為があったときは、離婚の訴えを提起することができる。

そのため、いくら親密なLINEのやり取りをしていたとしても、肉体関係がなければ、原則として法的には不倫と認められません

ただし、例外もあります。


LINEやSNSのやり取りだけでも慰謝料請求されることがある?

たとえ身体関係がなかったとしても、

  • 親密な内容のLINE
  • ラブホテルの予約履歴
  • 「好き」と伝えているやりとり
  • 手をつないでの外泊

などの証拠がそろうと、「不貞行為に準ずる行為」とみなされることがあります。

実際に、裁判所でも「夫婦の平穏な生活を侵害した」として慰謝料の支払いが命じられるケースがあります。

このように、精神的な裏切り(=心の不倫)でも法的責任を問われる可能性があるのです。


どんな行動がグレーゾーン?具体例でチェック

以下のような行動は、必ずしも法律に触れるわけではありませんが、パートナーの信頼を損なう原因になります。

1. 「相談」を口実に夜遅くまで連絡を取る

恋愛感情がなくても、「あなただけに相談したい」と深夜に連絡を取り合う行為は、距離が近すぎると見なされがちです。

2. 食事やドライブを頻繁に繰り返す

二人きりでの外出が頻繁になると、周囲からも怪しまれます。

3. ボディタッチや過度なスキンシップ

飲み会などでの軽いボディタッチも、受け手や第三者には「不適切」と映る可能性があります。

4. 恋人・配偶者に秘密で異性と連絡を取る

「隠した」という行為そのものが、信頼を損なう要因になります。


SNS時代の「心の浮気」──見えない関係が招くすれ違い

現代では、InstagramやX(旧Twitter)、Facebookなどを通じた「DMのやり取り」も問題になりがちです。

  • 投稿に毎回「いいね」やコメント
  • 深夜にDMのやり取り
  • お互いに「見えない関係」を作り出す

これらは肉体関係がなくても、パートナーからすると「裏切り」に感じられます。

画面の向こうの関係でも、現実の信頼関係を壊すことはあるという点を認識する必要があります。


法的リスクを避けるためのポイント

不倫が原因で慰謝料を請求されるのは、何も既婚者だけではありません。
相手が既婚者であると知りながら関係を持てば、不倫相手側にも慰謝料の支払い義務が生じる可能性があります。

自分を守るために注意したい点

  • 相手に配偶者がいないかを事前に確認する
  • 証拠として残るLINE・メールの内容に注意
  • 2人きりでの密会は避ける
  • 「恋愛感情がある」と自覚しているなら距離を置く

結論:不倫は「気持ち」と「信頼」が壊れたときに始まる

不倫がどこから始まるのか?
それは、パートナーとの信頼関係を壊す行動をしたときに始まるのかもしれません。

法律上の定義だけでなく、相手の気持ちや関係性の中で生じる感情のズレや違和感こそが本質です。

何気ない行動が、相手にとっては深い傷になる可能性があることを忘れないでください。


よくある質問(FAQ)

Q1. LINEだけのやりとりでも不倫になりますか?

法的には「不貞行為」とは認められにくいですが、内容次第では慰謝料請求の対象になる可能性があります。

Q2. 未婚同士でも「浮気」と呼べますか?

法律上の「不貞」には該当しませんが、道義的には「浮気」として問題になるケースがあります。

Q3. 不倫の慰謝料はどれくらい?

相場は50万〜300万円程度。関係の深さや期間、相手に与えた影響によって変動します。


まとめ

  • 不倫の境界線は人によって異なる
  • 法的には肉体関係が「不貞行為」とされる
  • 心の浮気やSNS上の関係もリスクになる
  • 信頼を守る行動が、関係を続ける鍵になる

「これくらいは大丈夫だろう」と思った行動が、大きなトラブルの引き金になることもあります。
大切な人との信頼関係を守るためにも、行動のひとつひとつを見直してみましょう。